消防士の仕事について

消防士の仕事に関する事を書いています

船火事に水をかけても沈没しないか

 

 


舟の火災のとき一度に大量に放水すると
舟が傾いたり、最悪の場合は舟そのものが
沈んでしましますね。


水面に浮かべたコップに水を加えていくと最後には
沈んでしまうのと同じように、放水した水が


しだいに船内にたまり、舟が沈下、または舟の
区画の一部に水がたまりバランスを崩し、


最後には転覆・沈没してしまいますね。
1988年、大阪港で発生したソ連船「プリアム―リエ号」


の火災でも、放水によりまして船体が
傾斜したため、消火活動を中断しています。


中にまだ人がいる、早く消さなければ、と
気がせきながら、放水すれば船が沈むという
ジレンマに陥ります。


また客船は内部構造が複雑に区画されていて


通路も狭いために、消防隊の活動は困難な上に
非常に危険なのです。


貨物船は深く大きな船倉を持っていて
ここで積み荷が燃えるとやっかいなことになります。


タンカー火災になると輻射熱と毒性ガス、さらに
爆発の危険性もあります。


このように船舶は、消火活動が大変難しい
火災です。


火災の状況や被害状況などを正確に知るのは、
いずれの火災でも消火作戦のうえでも重要な
ことですが、


船の所有会社や関係者からその構造や内部の
状況をきちんとつかむことも大切になります。


そして、消火活動の際には船の傾斜とか
船体が水に浮かんだ時の、水面ぎわの線に


注意して、船がどのくらい沈下しているのかを
確認しながら活動していきます。


また、消防隊が船内に侵入する場合は、
呼吸器はもちろん、場合によっては耐熱の


防火衣などの防護材を確実に装備します。
船内に隊員が何人っており、入ってから何分に


なるかなど隊員の安全管理が非常に重要なことに
なります。


また、外国船の場合、関係者が外国人ばかりなので
言葉の障壁があったり、外交上や法律制度の上の


問題があったり、活動はいっそうややこしく
なりますね。


船から漏れた燃料油による海の汚染を防ぐための
オイルフェンスや処理剤も積載しなければ
なりません。


消防艇をもっている市町村とも応援協定を結んで
災害に備えているわけですよ。