消防士の仕事について

消防士の仕事に関する事を書いています

はしご車が届かない……どうする

 


以前の火災の事例になりまして、
あまり知らない方もあるかもしれませんが。


東京・ホテルニュージャパンの火災がテレビで
実況中継されたことがありました。


窓の外のわずかの幅のひさしにのって、炎から
逃れながら助けを待つ人が映り出されていました。


早くはしご車が来ないのかハラハラしたものです。
この建物は、下層階部分が上層階部分より

広くなっていて、はしご車がよりつけなかった
のですが、この人は何とか雨どいを伝って脱出
できました。


はしごが消防活動に利用された歴史は古くて
古代ローマでは、9階建ての共同住宅
ありまして、


世界で初めて、はしごを使用した公設消防の
記録が残っていますね。


日本では、明治36年に東京でドイツ製
はしご車を購入したのが初めてで、


そのはしごは3連で長さが約18m、馬が引きました。


また、アメリカでは1815年はしごを車に積んで
火災現場で使っています。


はしご車が高さについていけないというわけではなく
超高層ビルには、次のような対策が
義務付けられています。

 

①11階以上の階には防火区画の強化

②31m以上の建物には非常用エレベータの設置と
 内装の不燃化

③15階以上の階への特別避難階段の設置

④11階以上の階へのスプリンクラ―の設置
 など消防用設備等の設置強化

 

さらに、こうした防火対策が合理的に設計されるよう
審査指導する防災計画評価制度が設けられていて、


建物自体の施設や設備によって住んでいる人の安全を
守るようになっています。


そして、超高層のホテルやマンションなどには、
外気に面した避難バルコニーを設けるよう


さらに、消防ヘリコプターが救助・消火活動を
行える緊急の離着陸スペースの設置を指導
していますね。


はしご車のトドク範囲では、ホテルニュウジャパン
火災のようにならないように、活動場所の確保や


電線の地中化などの障害をなくすよう
努めていますが、はしご車による救助は
最後の手段になりますね。


はしご車を使わなくても済むように、
安全な建物を作り、これを適切に維持管理する


ことこそが第一になってきますよ!